ちょっといい話
Good for a moment story.
「お客様との涙」
寿退社を迎えようとしている、お客様係りのお話しです。
彼女は、通販部門配属の前には、店頭で接客係りをしていたので、通販でのお電話やご注文書での受注業務には、戸惑うこともあったようでした。
しかし商品に同封するお手紙や、お誕生日カードの提案など些細なサービスひとつでも、とても喜んでくださり、お客様に直接お会いしないからこそ、どうするべきかを考えなければいけないという接客の奥深さを学んだのでした。
そして、たくさんのお客様と出会い関係を深めてきたのです。
そんな彼女も結婚が決まり、寿退社するにあたり一度、直接お客様にお会いしたという思いから、東京の百貨店催事に参加することになりました。
彼女は、今までのお礼にと家で手づくりのクッキーを焼いて、お土産として用意していました。
催事の当日「あのお客様は、お越しくださるかな・・・・」そんな心配とは、うらはらに多数の常連様が、彼女目当てにご来店下さりました。
ご年配の常連様が「あなたに会いに来たのよ。おめでとう。幸せになるのよ・・・・・」
その言葉と同時に、お客様の目には涙が溢れていました。
彼女も気がつくと涙が一杯でした。
百貨店の売り場で抱き合う二人、東京であった一コマです。
そんな彼女が退社前に残してくれた言葉です。
「ずっとお会いしたかったお客様方のお顔を拝見した時は、感激のあまり涙が出てしまったほどでした。
お会い出来なかったお客様も、お電話越しではありますが、たくさんの笑顔に出会えることが出来ました。
お客様係として勤めた間に、たくさんの人の温かさに触れることができ、とても幸せでした。
心の中いっぱいに詰まった思いを財産として、そしていつか私も出会えた温かなお客様のような人になれればと思います。」